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iDeCoが使いやすくなる!2022年の年金制度改正について

更新日:2022年10月11日

執筆者:坂本 綾子
日本FP協会認定CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
著書「絶対に損をしないお金の増やし方」など

暮らしに影響する制度は、ときおり改正されます。
2022年にいくつかの改正が行われるのが年金制度です。
中でも、節税しながら老後資金を準備できるiDeCoの改正に注目です。


年金制度は、国の制度である公的年金と、公的年金以外の私的年金があります。
私的年金の代表は確定拠出年金です。


確定拠出年金には、企業が従業員のために導入する企業型と、個人が自分の意思で入る個人型があり、これを個人型確定拠出年金(iDeCo)と呼びます。(この後はiDeCoと表記)。 いずれも2022年に改正があります。

2022年4月~
年金の受取り開始を75歳まで繰り下げることができる

公的年金は原則65歳からの受取りです。
ただし、早く受取りたい人は最短で60歳から、遅く受取りたい人は最長で70歳まで、繰り上げや繰り下げができます。
この期間が伸びて、最長で75歳まで繰り下げできるようになりました。

繰り下げると1か月ごとに0.7%年金額が増えます。
75歳から受取ると10年繰り下げることになるので、原則通り65歳から受取るよりも、0.7%×12か月×10年=84%増えることに。


公的年金の繰り下げには特に手続きは必要ありません。
受取りたいと思ったときに年金請求書を提出すれば、受取りが始まります。


一方、確定拠出年金は、企業型もiDeCoも、原則60歳以降70歳までの間に受取りを開始する仕組みでした。
公的年金の改正に合わせて、受取り開始を75歳まで伸ばせるようになりました。
確定拠出年金も、受取りたいと思ったときに請求書類を提出します。
確定拠出年金の場合、受取りまでは預金や投資信託を使って自分で運用を続けることになります。

2022年5月~
企業型は70歳、iDeCoは65歳まで確定拠出年金に加入できる

改正前は、企業型が65歳まで、iDeCoは60歳まで加入できました。
5年延長されて、企業型は70歳まで、iDeCoは65歳まで加入できるようになりました。

ただし条件を満たした人が対象です。
どんな人が入れるかと言うと…。


企業型は会社ごとに加入者の条件を定めることができ最長で70歳までにすることができます。
つまり、会社員で企業型が導入されていて70歳まで入れる規約になっている人です。
企業型が導入されているなら勤務先に確認を。


iDeCoに65歳まで入れるのは、会社員の場合は継続雇用などにより厚生年金に加入するものの勤務先に企業型がないまたは企業型には入れない人。
会社員や公務員以外の国民年金加入者は、国民年金に任意加入している人です。
国民年金の任意加入は、60歳時点で40年間(480月)の加入期間を満たしていない人が選択できます。


例えば、勤務先に企業型があり60歳まで加入していたけれど定年退職により企業型の加入者ではなくなった、その後、継続雇用により厚生年金に加入している人はiDeCoに入ることができます。

また、個人事業主などの国民年金加入者で、60歳時点での加入期間が480月に満たない場合は、国民年金の任意加入者になれば、iDeCoに加入できます。

2022年10月~
確定拠出年金の企業型とiDeCoの併用がしやすくなる

これまでは、確定拠出年金の企業型に加入している人がiDeCoにも加入したい場合は、企業型の規約に併用できることが記載されていることが条件でした。
10月以降は企業型の規約の定めに関わらず、加入したい人はiDeCoに加入して併用できるようになります。


この改正により、iDeCoに入れる人はかなりの数になると言われています。
企業型とiDeCoを併用して、老後資金を準備することが可能になったのです。


ただし、確定拠出年金には大きな税制優遇があるので、月々の掛金額には上限があります。
勤務先の企業年金が企業型DCのみの場合、企業型の掛金と合算して月5万5000円以内(かつiDeCoの掛金は2万円以内)、勤務先に企業型DCと確定給付年金の両方がある場合は2万7500円以内(かつiDeCoの掛金は1万2000円以内)です。
また、企業型のマッチング拠出を利用していないことが条件です(勤務先の企業型にマッチング拠出制度があっても利用していなければiDeCoを併用可能)。

老後の生活に不安を感じている人は多いようですね。
なるべく長く働いて収入を確保することに加え、iDeCoへの加入や企業型との併用も検討してはいかがでしょうか。
年金制度はときおり改正が行われ、特に確定拠出年金は改正のたびに利用できる人の範囲が広がり使いやすくなってきています。
まずは今回の改正点で、家計に活かせそうなことを実行し、今後の改正にも注目しましょう。



坂本 綾子

坂本 綾子
ファイナンシャルプランナー
(日本FP協会認定CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

熊本県生まれ。明治大学卒業。マネー記者として22年間、女性誌などで家計管理や保険、投資、住宅購入、相続などお金の記事を取材・執筆。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立。自治体の消費生活センターでの市民向けお金のセミナー講師や、家計相談にも対応している。著書に「今さら聞けないお金の超基本」朝日新聞出版、「まだ間に合う!50歳からのお金の基本」エムディエヌコーポレーションなど。

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