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20代からシニアまで年代別NISAの活用方法

更新日:2023年12月14日

執筆者:坂本 綾子
日本FP協会認定CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
著書「絶対に損をしないお金の増やし方」など

NISAの特徴は、投資の利益が非課税になることに加えて、幅広い年代の人が自分に合わせて使えることです。
2024年からのNISAの活用法を年代別に紹介しましょう。

コツコツ積立も一度に買うこともできる

NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠があります(2024年1月以降)。


「つみたて投資枠」は、その名の通り投資信託の積立ができる枠です。
長期の積立・分散投資に向いた投資信託がラインナップされているので、そこから投資信託を選び、積立額を決めて申し込みます。


年間120万円の枠内であれば、投資信託は1本のみならず複数を並行して積立てることもできます。
また積立額の変更、投資信託の変更や売却はいつでも可能です。


一方、「成長投資枠」では株式や投資信託の購入ができますが、金融機関によっては投資信託のみの取り扱いとなります。 「成長投資枠」で利用できる投資信託は、「つみたて投資枠」の投資信託よりも種類が多く選択肢が広がります。
買い方は、積立も、一括も可能で、年間240万円の枠内であれば、並行して複数の投資信託を購入でき、いつでも売却できます。


そして、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は併用できる(2024年1月以降)ので、投資の自由度はかなり高くなります。
選択肢が増えたことで、どう使ったらいいのか迷ってしまう人も出てきそうですね。
そこで覚えておきたいのが、次の3つのルールです。

金額も買い方も自分のペースで

NISAを使う際には次の3つを考慮することをお勧めします。

① 投資額は自分の家計に合わせる
② NISAとは長期のお付き合い
③ 分散・積立・長期を心掛ける

① 投資額は自分の家計に合わせる

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用すると年間360万円まで投資ができます。
1年で360万円を投資に回せるのは、収入が多いなど家計に余裕がある人でしょう。
枠にとらわれることなく、投資額はあくまで自分の家計に無理のない金額で考えましょう。

② NISAとは長期のお付き合い

NISAは2024年以降、無期限で使えます。NISAで得た利益はいつ売っても非課税です。
つまり、NISAは一生使える投資の非課税口座です。あせらず、その時々の状況に合わせて使いこなせばいいのです。
もし値下がりにより評価額が下がってもあわてて売ったりせず、じっくりと価格が戻るのを待ちましょう。
そのためにも①の無理ない金額で投資をすることが重要です。

③ 分散・積立・長期を心掛ける

投資のリスクをなるべく低減させる方法は、値動きの異なる対象に分散して投資をし、購入時期を分散するために積立にし、それを長期で続けることです。
「成長投資枠」では一括での購入もできますが、できれば何度かに分けて買った方がいいでしょう。


この3つを前提にすると、年齢別のNISA活用法として次のような方法が考えられます。

投資に使える資金と時間を確認

20代

仕事を始めて数年の20代は、収入も貯蓄額も少なめの人が多いでしょう。
毎月無理のない金額で「つみたて投資枠」を使って投資信託を積立てましょう。
まだ若く時間がたっぷりありますから、利用する投資信託は、リスク・リターンが高いタイプを選んでもいいですね。
日本株式や海外株式に投資する投資信託、資産分散型なら株式や海外資産の比率が高い投資信託が選択肢です。

30代

30代に入ると収入が増えて家計に余裕が生まれそうです。
ただし、仕事や子育てで忙しく投資にじっくり向き合う時間はなかなかとれない人もいるでしょう。
忙しい人にとっては「つみたて投資枠」での投資信託の積立が最も無理がありません。


家計の状況にもよりますが、20代よりは毎月の積立額を増やしてみてはいかがでしょうか。利用する投資信託は20代と同じタイプでいいでしょう。
ただし、子どもの教育資金をNISAで準備する場合は、必要になるのは子どもが高校や大学に進学する時期。


それまであと何年あるかにもよりますが、リターンよりも安定性を重視して、資産分散型でリスクが低め(株式や海外資産の比率が低いタイプ)の投資信託を選ぶ方法もあります。

40代

40代は、子どもがいる場合は教育費の負担が増えてくる時期です。住宅ローンを抱えている世帯もあるでしょう。
無理のない金額で、「つみたて投資枠」での投資信託の積立を続けたいですね。
NISAで貯めたお金を老後資金に使うなら、投資期間は20代や30代よりも短くなります。


円預金などの安全資産をある程度持っているならNISAで使う投資信託はリスクが高めでもかまいませんが、20代や30代よりもリスク度が低いものに乗り換える選択もあります。


会社員でボーナスがある、家計に余裕があるなら、「成長投資枠」で、「つみたて投資枠」とは異なる投資信託を買ってみるのもいいでしょう。

50代

50代は、子どもがいる人は教育費の山場を迎えるケースが多くなります。50代後半は役職定年などで収入が減るケースもあります。


50代で初めて投資に挑戦するなら、第一歩としては「つみたて投資枠」で資産分散型の投資信託を積立てるのがいいでしょう。
すでに投資信託の積立を続けてきて、値動きなどに慣れ、知識も増えてきたなら、「成長投資枠」を併用することも検討しましょう。


公的年金の見込み額がわかる年齢になるので、セカンドライフの計画を立て始めたいですね。
NISAで貯めた資金をどのように利用するか、出口戦略についても意識したいところです。


NISAの総枠は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を合わせて1,800万円。
ただし、NISAで買った投資信託を売った場合、翌年にその元本分の枠が復活します。
この仕組みを活用して、必要に応じて保有する投資信託の入れ替えも考えてみましょう。

60代

60代以降のシニアは、資金面でも時間的にも余裕が生まれる人が多くなるでしょう。
「成長投資枠」の投資信託をじっくり選んで使ってはいかがでしょうか。
ただし、3つのルールでお伝えした通り、一度に多額の投資をするのはリスク分散の観点からおすすめできません。何度かに分けて買いましょう。


また、総枠は1,800万円ですが、「成長投資枠」だけしか利用しない場合は1,200万円までとなります。 「つみたて投資枠」の投資信託は、金融庁が定める一定の条件を満たすものに限定されますし、積立購入によりリスクが分散されるので、並行して「つみたて投資枠」を利用するのもいいですね。


投資した資金を使うまでの期間があまり長く取れない場合は、リスクが低めの投資信託を選ぶのが原則です。
通常、株式や海外資産の比率が低いほどリスクも低くなります。
老後資金に充てるために解約する際は、利益が大きい投資信託やリスクが高い投資信託を売却すると、利益確定とリスク度の調整ができます。


NISAでの投資は、売りたくなったらいつでも売れる点で流動性が高いのがメリットですが、投資はなるべく長期で取り組むのが鉄則。
しっかり増やして、資金が必要になったタイミングで売却することを目標にしましょう。



坂本 綾子

坂本 綾子
ファイナンシャルプランナー
(日本FP協会認定CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

熊本県生まれ。明治大学卒業。マネー記者として22年間、女性誌などで家計管理や保険、投資、住宅購入、相続などお金の記事を取材・執筆。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立。自治体の消費生活センターでの市民向けお金のセミナー講師や、家計相談にも対応している。著書に「今さら聞けないお金の超基本」朝日新聞出版、「まだ間に合う!50歳からのお金の基本」エムディエヌコーポレーションなど。

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