執筆者:坂本 綾子
日本FP協会認定CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
著書「今さら聞けないお金の超基本」など
家族や友人と過ごす時間に加えて、自分自身が夢中になれる時間があれば生活はより充実します。
上手にお金を捻出して趣味を楽しむ方法について考えてみました。
趣味と一口に言っても、幅広いですね。分野で分けると、スポーツ系、音楽や美術などの芸術系、登山や釣りなどのアウトドア系、お茶やお花などの文化系、料理などの生活系、ゲームなど頭脳系まで。
その趣味を楽しむのにどれくらいのお金がかかるかも幅があります。
大きく分けると、始めるための費用と、続けるための費用になります。
あくまでも例ですが、趣味の種類と、そのための費用やメリットをまとめてみました。
種類 | 始めるための費用 | 続けるための費用 | メリット |
---|---|---|---|
キャンプ | テントなどキャンプ用品一式、数万円~ | 現地までの交通費、食費、キャンプ場代など | 日常生活を離れて自然の中でリフレッシュ |
写真 | カメラなど道具一式、数万円~ | 追加の備品代や撮影に行く交通費 | 自分の作品を生み出せる |
家庭菜園 | 苗や種、肥料、土、園芸用品など、数千円~ | 季節ごとの種など | 収穫したものを食べられる |
テニス、フットサルなどのスポーツ | 靴、ボール、ユニフォームなど一式、数万円~ | コート代、消耗した道具類の買い替え費用 | 体力が付き、ゲームの楽しさを味わえる |
映画 | かからず | 映画館のチケット代、ネット配信の費用など | 日本のみならず海外の様々な作品も鑑賞できる |
ランニング | ランニングシューズ、ウエアなど、数千円~ | 自宅周辺なら、かからず | 費用をかけずに健康を維持し体力をつけられる |
楽器 | 楽器の購入費、数万円~ | 楽譜、習う場合はレッスン料など | 上達する達成感、仲間と演奏する楽しさ |
道具が必要な趣味なら、最初に道具一式を揃える費用がかかります。
少しでも安くしたいときは、先にその趣味を楽しんでいる人から譲り受ける、フリマアプリなどで中古品を買うなどの方法があります。
長続きするかどうかわからないけど一度試してみたい趣味なら、始めるための費用は安いにこしたことはありません。
おもしろくなって続けていこうと思ってから本格的に良い道具を揃えていくのも楽しいものです。
ほとんどの趣味では、始めた後も続けるための費用がかかります。
特に場所を必要とするスポーツやキャンプでは、その都度、コート代やキャンプ場代、そこまで出かけていく交通費も必要です。
道具についても、メンテナンスや買い替え、追加の備品代なども必要になります。
自己流ではなくスクールに通って上達したいなら、レッスン料がかかります。
比較的、安い費用で楽しめる趣味もあります。
例えばランニングなら、最初にランニングシューズなどを揃えてしまえば、自宅周辺を走る限り追加の費用はかかりません。しかも健康にもプラスです。
趣味で作ったものを食べたり生活で使ったりできる、例えば家庭菜園、料理、お菓子作り、そば打ち、洋裁、編み物、刺繍、陶芸、DIYなどは実用的な趣味と言えます。
楽しめて生活にも役に立つのですから一挙両得です。
もちろん、全く実用性はないけれど、面白くてやめられない趣味もあるでしょう。
趣味には、その趣味そのものが面白いことに加えて、様々なメリットもあります。
例えば、映画鑑賞やランニングなどひとりで楽しむ趣味もありますが、チームスポーツや対戦相手がいるや趣味なら仲間ができます。
仕事の人間関係、家族や友人との関係に加えて、趣味を通した人間関係ができることにより交友範囲が広がり、生活はより充実することでしょう。
また家計の面で見れば、趣味はお金がかかるだけではありません。
どうしても続けたい趣味があれば、家計管理にも敏感になり、費用対効果についても考えるようになります。
無駄使いをなくして、その分を趣味の費用にあてれば、メリハリが付きます。
これまで家計簿を付けていなかった人なら、趣味の費用から記録を付けてはいかがでしょうか?
いくら使って、その結果どうだったのか。
始めるためにある程度のお金が必要な趣味なら、ボーナスや貯蓄から無理のない範囲で支出します。
続けるための費用は、収入や家族構成、どんな生活をしているかにもよりますが、生活費の5%以内であれば、それほど負担にはならないでしょう。
支出にはニーズとウォンツがあり、ニーズは必要なもの、ウォンツは欲しいものです。
趣味の費用はウォンツに分類されます。
ニーズだけではなくウォンツにもお金を振り向けることにより、暮らしの満足感、納得感が高くなります。
坂本 綾子
ファイナンシャルプランナー
(日本FP協会認定CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
熊本県生まれ。明治大学卒業。マネー記者として22年間、女性誌などで家計管理や保険、投資、住宅購入、相続などお金の記事を取材・執筆。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立。自治体の消費生活センターでの市民向けお金のセミナー講師や、家計相談にも対応している。著書に「今さら聞けないお金の超基本」朝日新聞出版、「まだ間に合う!50歳からのお金の基本」エムディエヌコーポレーションなど。
長野ろうきんの公式LINE、公式Instagramでお金の貯め方・ローンなどお金に関する基礎知識やお得な情報をお届けします。
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